立ちごけ検証

立ちごけによる鎖骨骨折から21日が経ちました。私は手術ではなく保存治療を選びました。保存治療をネットで調べると、鎖骨バンドで固定し固まった後にリハビリって書かれておりますが、私の担当医は「鎖骨バンドねぇ…出せって言うなら出すけど、あんまり効果ないと思うよ。それより固まらないうちに肩の可動範囲を広げる事のが大事」と言われ、痛みに耐えながら気合いと根性で普段通りの生活をこなしました。

初めのうちは、Tシャツを脱ぐのも着るのも思わず声が出ましたが(笑)、今では普通に行えるどころか、頭を両手で洗えるレベルまで回復しました。腕も90度まであがります。昨日、定期健診で病院に行きましたが、根性出しただけあって結果はやはり順調でございました。

ここまで回復すると、いつバイクを押せるレベルになるのか?が気になり、聞いてみると「それには最低2ヶ月は必要、場合によっては3ヶ月」との返事が。人生の残りが少なくなっているのに実にもったいない(笑)。これを機に残りの人生では、二度と骨折を招く恐れあることは避けるように、可能な限り努力しようと心に誓いました(笑)。

その為には、まず今回の立ちごけの検証が大事です。立ちごけなんて自分の不注意でしょ…たいていの人は短絡的にそう考えると思います。しかし、事故には必ず要因があるのです。自動車事故も、労災事故も「気をつければ防げる」の対策では、大きな確率で同じ事故が起きます。という訳で私なりに今回の事故を振り返ってみました。

今回の一件はサイドスタンドが勝手に戻っていた…のが要因の一つで、まずここが気になりZRX1200Rサイドスタンドで調べると、Google様の答えは「かかりが浅い」と(笑)。これ実はZRX1200Rではなくて、その後のモデルのDAEGの方なんですが、恐ろしい事に「DAEGはあれでも改良されたんだけどね」との文面が。という事は以前のモデルはもっと悪いってことでしょ(笑)。要因とはこういう事です。そして対策の部品はありません。サイドスタンドのかかりを浅くするメリットって特にないと思うので、他社と同等に出来ない何らかの理由があるんでしょうねぇ。

次に気になったのは、ZRX1200Rの取り回しについてです。実は購入当初から違和感がありました。それは今まで乗り継いできたバイクより、取り回し時にふらつくような気がしていたのです。ですが、それは私の体力的な問題だろう…で片づけておりました。なぜならGoogle様にいくら聞いても「ZRXはコンパクトで取り回し良好」との答えしか見つからなかったからです。そのわりには立ちごけしている人が多い気もしますが(笑)。分母が大きいからかも知れませんけど。

私の体格は、身長が167㎝で体重が60㎏弱と小柄ですが

ハーレー883が260㎏

ホンダドゥービルNT700Vが254㎏

DUCATI ST4Sが215㎏

ヤマハBOLTが252㎏と、DUCATI ST4S以外は重量のあるバイクを乗り継いできました。その中で、立ちごけはBOLTの一度だけ…しかも正確には立ちごけではなく、タンデムでUターンの時だから今回とは比較になりません。ZRX1200Rは245㎏ですから重量的には特別重いという事実はありません。そしてBOLTはエンジンガードがありましたが、いとも簡単に起こせましたし、怪我なんてする気配すらありませんでした。

特にドゥービルは、私の体格からは車体も大きく重量も重かったのですが、なぜか取り回しにあまり不安に感じた事がありません。もちろん全くなかった訳ではありませんが。KTMの試乗会に行った事がありましたが、KTMのが全然軽いのに足つきが悪いのも手伝って不安定に感じ、ドゥービルに乗って帰る時は安心感さえありました。

ハーレー883とBOLTも同様で、押し引きは確かに重いのですが安定しているから、取り回しで倒してしまうかも…と不安になった事はありません。

話をまとめると、私は縦置きVツインエンジンは構造上重心のバランスが良く、安定感があるのではないか?大型バイクの直列4気筒はエンジンの幅が広いから不安定なのではないか?と思いました。数値化して説明出来ないので、あくまでも個人の感想でしかありませんが。ましてや883やBOLTは重心が低いから、やじろべぇ的理論で倒れにくいのではないかと思われます。最近のモデルはマスの集中化など、こういう部分が改良されているのかもしれませんが、ZRXは初期のZRX1100が1997年の販売だから設計もかなり古いので、当時なら走行性能が優先され、取り回しなどはないがしろになっているのかもしれません。

ちなみにどのZRXインプレ記事にも重心が高いとか、取り回しがしにくいとか書かれておりませんので、あくまでも私個人がそう感じるだけで、あくまでも私の偏見ということにしてください。インプレ記事を信じている人は多いですが、一言だけ言わせていただくと、雑誌などには不都合な真実が書かれる事はまずありません。あれは広告活動の一環ですから。雑誌、及び広報車が出るようなサイトにとってメーカーはあくまでもお得意様です。

雑誌などのテストライダー、あるいはバイク屋の店員、あるいはライテク自慢のライダーは、一般の人じゃありませんからね。だから一般人の意見になるわけないのです。彼らのアドバイスのほとんどは「バイクを上手く乗れるように努力する」が前提だから、常に個人の技量の問題で片付けるわけですよ。これじゃ参考にならないよね。一歩間違えば骨折するってのに(笑)。

ホンダやヤマハ、そしてBMW様は「倒れないバイク」に取り組んでおります。まだ実用化にはなっておりませんが、普通の人に乗りやすいバイクを提供しようという姿勢はメーカーとして正論だと思います。倒れないバイクは実現しないかもしれませんが、取り回しや、低速での扱いが容易である事は、バイクを乗る上ではとても重要である事が、メーカーの取り組みを見ても明らかです。バイクはスピードが出ていた方が安定しますから。

私は「あばたもえくぼ」と捉えるほどのカワサキのファンでもないし、体格及び体力的にも、そして技術的にもZRXはハードルが高かったのでしょうね。二度と今回のようなケガはしたくないので、ZRXはバイクが動かせるようになったらさっさと手放します。リスクを負ってまで乗りこなしたいとか、これを機会に技術を磨こうとか、その手の向上心も全くありません。そんなどうでもいいような自尊心より、リスクを避け骨折しない方がはるかに上回ります。50歳すぎのおっさんですので。今振り返れば、北海道はカブにしておいて本当に良かった。万が一、オロロンラインで鎖骨折ったら…考えただけでも恐ろしい(笑)。

私は還暦を迎える事が出来たら、まだ販売されていればSR400に乗ろうかなぁ…と漠然とですが考えていました。いわゆる上がりバイクってやつですね。理由はカブに乗るようになってよくわかりましたが、軽いバイクは気が楽だからです。ガレージから出すのもしまうのも気軽。一時間だけぶらっと走るのも気軽。それでいて、SRならやろうと思えばロングツーリングも可能だからです。

8年前倒してSRにしようかな。でもまだ早いような気も…(笑)。どちらにしてもバイクに乗れるのは夏頃なので、その頃まで楽しく悩むとしますか。

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立ちごけ検証」への7件のフィードバック

  1. 面白いですね。
    ZRX1200に乗った事はありませんがtomozoさんが感じてるZRX1200への感覚は私が感じるSR400そのものです。
    車重は軽いんですが常に反対側へ倒れると言うか持って行かれる感覚があるので家からの出し入れではドゥービルより緊張します。
    重量のほとんどがタンク辺りにあるような感じですが走らせると独特な感覚が楽しいですよ~。

    1. えっ!えええっ!本当ですか?たまさん。SR400こそ100%近くのユーザーが軽い取り回しを絶賛しているのに(笑)。でも、SRも設計が古いし、言われてみれば逆に全体が軽いからマフラーがある方へ倒れたがるとか…。クルマと違ってバイクはカタログから読み取れない部分が多いんですよね。見に行っても細かいところはわからないし。で、保有するとそれが大きな問題だったりします。SRを見学するとき私も押してみます(笑)。
      今考えるとドゥービルは良く出来ていましたね(笑)。デカいけどバランスがいいんでしょうね。なぜそうなのか説明出来ませんが怖くないんですよね。色々と乗り換えましたが、実はドゥービルがベストだったかも。

  2. SR 出てますネ。 マッタリ走るにはいいと思います。 当方が乗ってたのは40年前なので初期のスポーク車でしたがオイルタンクを兼ねたフレームのシングルフロントダウンフレームとの事からか今風に言うと「ダルイ」フレームです。 カチッと走るRD250(古すぎ?)と比べると まるで「トレールにコンチハン」で乗っているかの様です。慣れれば早い切り返しも・・・エキパイからマフラーが接地して怖いけど。 でも一家に一台、いや 一生に一度はのバイクかも。

    当方のポンコツ化から65歳、定年後 家内がリヤシートへ乗るというのであれば 足付きの良い GOLDWINGなどと思っていますが 踏ん張る度に 足を攣ったり 肉離れ、立ゴケなどを考えると ソロはカブ、タンデムはCan-Am Spyderが安全なのかなと感じる今日この頃です。

    1. MACさんもたまさんも、ネットでの口コミとは違う意見で実に参考になります。オイルタンクを兼ねたフレームはたぶん現在も同じではないかと思います。今回販売されたSRは最高出力は落ちていますが最大トルクが3000rpmってのがそそります。車重の軽いスポーツスターみたいな感じで。
      走りはあんまりだと想像できます。スポーツスターもそうでしたが、当時の設計では最近のバイクのようなキビキビ感は難しいでしょう。なので上がり…というより一生に一度はSRもありだと思っています。…が、今回をのがすと8年後にまだ販売しているかは微妙ですけどね(笑)。
      GOLDWINGは電動でウォーク機能もあるので、意外にもおっさんにも楽と聞いた事があります。しかも、私の推測では5年後には自動でサイドスタンドが出るのではないかと思います。私はお値段の問題から視野に入った事はありませんが(笑)。8年前倒してSRにしたら、還暦を迎える事ができたら私は250ccのスクーターでしょう。たぶん。なんかそれも寂しいんですよね。

      ゆっくり考えます。

  3. 友蔵さん。
    具合はだいぶ良くなりましたか?

    この記事を見てしばらく経って確定申告を提出に行った日。
    前日、追い込みで寝不足。
    春と思い薄手のライダース着てバイクで税務署へ。
    ところがその日は冷え込みがきつく予想外。

    税務署から毎月お参りしているお不動さんに向かいましたが
    ここの駐車場何気に気になる傾斜があり。
    バイク止めようとするとき、ローギアになかなか入らず、
    左足に力を入れるとなんの拍子か左に倒れていって。
    スタンドが出ていると思い込んでおり戻せなくなり転倒。
    足が挟まれそうに。
    起こそうとすると左レバーが握られたような状態で地面に接していて起こそうとすると傾斜のために車輪が動いてしまい。
    結局、通りがかりの人に手伝ってもらい起こしました。

    たった120キロしかないのに。
    凹んでおります。

    1. だいぶ普通になってきました。クルマの運転ならほぼいままで通りになりました。もうカブなら行けるんじゃないか?と思いますが、ひでりんさんのアドバイスに従い2ヶ月は養生しようと我慢しております(笑)。
      私の運の悪さが感染したようですね。しかし、私のように怪我がないようなので、とりあえずはなによりです。まぁ軽いとは言っても120㎏ありますから、傾斜があれば厳しいかもしれませんよ。自転車のようにはいきません。
      バイクは動いている時より、取り回しのが危ないんですよね。お互い気をつけましょう。しかし…ひでりんさん、大型バイクは向いてないかも(笑)。

  4. 友蔵さん。
    そうです2ヶ月我慢です。

    大型バイクの1番の障害は経済的なものですが
    200キロくらいのスクーターを乗ってましたのでそれくらいのを乗れたらなあ。問題は足つきです。

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