別府での暮らし 1

八ヶ岳南麓から湯のまち別府へ移住して三ヶ月が過ぎました。労働するのは不本意ですが、気がつけばなんとか就職すること(ほぼアルバイトですが)も出来て生活も落ち着き…といいますか単調化してきました(笑)。三ヶ月も経つと移住したてとは違って周りがだんだん見えてきたので、別府の街を私なりにご紹介したいと思います。

別府市の人口は約11万8千人。別府のが10倍くらい面積があるので人口密度は段違いですが、東京都の小金井市と同じくらいの人口です。以前の生活の場であった長野の諏訪市で約5万人、山梨の韮崎市が3万人なので、人口が多くもなく少なくもなく、東京などの東洋の都市でよく見かける人ごみで溢れるような事もなく、生活するのはちょうどよい街だと私は感じます。

今では鉄輪温泉地区が別府の街のシンボル的な地域になっていますが、

昭和30年代には新婚旅行で別府は人気があり(私は知らなかった)、その時は海岸に近い温泉街(別府温泉)がかなり賑わっていたそうです。鉄輪温泉はどちらかといえば湯治客に人気があったらしいですね。まぁ駅近じゃないし、今でも歓楽街って感じではありません。その名残りもあって今でも海岸近くには観光ホテルがたくさんあるし、今や残骸に近いですが駅前のアーケードにもその面影が見れたりします。

駅の反対の山側の方には住宅街もあり、私も山側で駅から2㎞ぐらいのところに住んでおります。2㎞なので頑張れば駅までも歩けるし、歩かなくても私の家の近くからたくさんの路線のバスが重複して走っているので、仮に今クルマがなくなっても生活に支障をきたす事はありません。老後の課題の一つであった事案が解決しております。別府移住は私たちの終活の一環ですから(笑)。

湯のまち別府の温泉は、実はおおまかに八湯に分かれていて「別府八湯」と呼ばれています。

発祥地の浜脇温泉、歓楽街の近くの別府温泉、地域No.1である杉乃井ホテルの近くの観海寺温泉、別府IC付近の堀田温泉、付近を通過するだけで硫黄臭がする明礬温泉、今や別府を代表と言える鉄輪温泉、少し離れた紫石温泉、別府駅からは遠いですが亀川温泉の八湯です。ちなみに私の家に引いている温泉もこの八湯に含まれております。

泉質は、明礬温泉に近いほど硫黄臭があり、浜脇、別府、亀川温泉はナトリウム(塩ですね)系です。私の温泉はちょうど中間ぐらいで、ハードな明礬温泉と違って、毎日入るのはこのくらいでちょうど良いと思ってます。別府で温泉を満喫するには、八湯もあるので一泊じゃ難しいと思います。

平地が少ない別府はR10沿いにいろんなお店が店舗を構え、イオンモールはありませんが一通りの 生活用品をそろえる事も出来て、選択肢は少ないものの不自由する事はありません。別府市内はどこに行くにしてもそんなに距離もなく、R10を避けて通れば渋滞に合わず、こちらも東京や東洋の都市と違って私はストレスを感じません。

私はR10を大分方面から帰宅の時に、いつも「イタリアのナポリに似ているなぁ」感じておりましたが、なんと別府は「東洋のナポリ」と言われていたそうです。知らなかったなぁ。でも、確かに似ているんですよ。

私は遠い昔にローマからナポリまでクルマで走った事もあり、何かの縁を感じますね。たぶん気のせいですが。

海と山に囲まれ、街暮らしではあるものの自然を感じられ、田舎過ぎず都会過ぎず…で、晩年を暮らそうと思い移住したのですが、別府移住には気をつけるところもあります。

これが一番ですが、はっきり言って別府市には仕事が少ない。私のように常に節約を心がけ、100円を大事に使うなら大きな問題ではありませんが、朝スターバックスに寄ってコーヒーを買って、コンビニでタバコを買い、昼飯は外で食べ、帰りは居酒屋でビールが飲みたい人は、別府というより地方で暮らすのは止めた方が無難です。

別府には観光産業以外に産業の中心となる大手の工場などがないので、求人は中小企業が中心です。私の経験上、地方の中小企業の給与は薄給で、やってらんねぇ仕事が多いです。メディアが称える生活がしたいなら、お隣の大分市や日出町のが仕事があると思うのでそちらがおすすめ…その前に移住を考え直しましょう(笑)。

第二に市税や光熱費などが首都圏と比べて高い。現代社会を反映し若い世代が少ないのと、人口が少ないのが要因のようです。

第三に地価が高い。別府ICの方であればそれなりのお値段ですが、別府駅に近づくにつれ「えっ!ここ大分県だよね」と思うくらい地価が高いです。別府は平地が少ないのと、お金持ちの移住者(私は該当しませんよ)も多いから、それでも売れるんですよね。

税金や地価が大きな壁となって、大手の工場を誘致できないのではないでしょうか。だから、それに付帯するような企業の進出もなく、今でも観光産業に頼っている現状が続いている…と思います。

続いて

別府は南国ではない(笑)。先日の寒波が来た際にとうとう雪が降りました。気温も3℃。私の家は別府駅に近いので積もることはありませんが、別府IC付近は積もります。またこの日は高速道路で事故が多発した模様です。たぶん首都圏のがヒートアイランド現象で暖かいと思われます。

地元の人は「冬にスタッドレスタイヤが必要」と言うけれど、よほどの山間部でもない限り個人的には疑問だったりします。どうやら年に数回ですから。今回の降雪なら長野県民は「こんなの雪が降ったうちに入らんわ」…と言うと思いますよ。

別府の街のご紹介なので、ここで一つガイドブックには出てこない別府で人気のラーメン屋さんをご紹介します。

ラーメンなべさんです。別府温泉発祥地の浜脇温泉のところにあります。行列が出来るお店です。しかも観光客ではありません。別府じゃ並んでるお店は、youmeタウン内のレストラン以外はありませんから。 メニューはこちらだけ

営業は11:00~14:00でスープが無くなり次第終了です。私は12:00ごろに行きましたが、13:00ぐらいで終わりでした。

ラーメンとチャーシューメンをお願いしました。期待のお味ですが、トンコツですが野菜スープで薄めた感じのあっさり仕上げで、とても美味しい。妻はタンメンに近いと言っておりました。延岡でいただいたような、えぐみのあるトンコツは苦手ですが、誰にでも受け入れられる味だと思います。☆4つ。誰にでも受け入れるのですが、それゆえにカップ麺で食べた事があるような…あるような気がします。

別府というより大分県は、とり天やリュウキュウが名物料理ですが、実は観光客以外は並びませんし、移住してしまうと私たちもあまり食べなくなりました。これは八ヶ岳に移住した時もそうでした。実は山梨県民もそんなにほうとうのお店には行かないし、長野県民もいつも蕎麦を食べているわけではないのです。遠い昔はそうだったと思いますが、今は本当の地元の味って、こういうお店の味なような気がします。

老後に向けての生活を視野に入れ、幾度も検討を重ねた上で決行した別府移住でしたが、私たちにはおおむね合っていたと思います。長年暮らした東京から八ヶ岳の移住の時は、深く考えず半分勢いで移住したので、後になって考えさせられる部分も多かった。今回は二度目なので、落ち着いて冷静な判断が出来るようになったんだと思います。まぁ普通の人は初めから十分な検討をすると思いますが、私のバイク乗り換え遍歴をみれば、私が思慮深くないは一目瞭然でございます(笑)。

八ヶ岳で暮らしていた時の市街地であった諏訪や韮崎には、やはり移り住む気にはなりませんでした。今考えても別府と比べてもかなり小さな街だったし、厳しい気候の問題や生活環境的にも老後を暮らすには疑問が残り、別荘地から下りて諏訪や韮崎で暮らそうとは思えませんでした。

それなら、甲府でも…と思いましたが、そこまで大きな街なら慣れ親しんだ東京でいいんじゃないか?と思いましたし、甲府などの普通の地方都市は、日本のどこでもあるような普通の街なんですよね。別府の街は観光地でもあるから、やはり景観が素晴らしいし、旅行先の非日常的な感じがあります。なんてったってナポリですから(笑)。

生まれ育った東京の下町からは遠く離れましたが、社会の片隅でひっそりと暮らしている私には、別府の街は合っていると思います。

若い人たちは花の都大東京に憧れ、首都圏が一極集中になっているようですが、生まれ育った私としては、東京の人たちが全員お洒落でトレンディ(死語ですね)なわけでもないし、人が多い分トラブルに巻き込まれる可能性も高くなるし、私が幼少の頃はそうでもありませんでしたが、現在の東京はどこに行って人だらけで疲れてしまいます。ましてや、クルマやバイク愛好者には地獄のような環境ではないでしょうか。

地方で暮らせば、トレンディ(笑)ではないもののストレスフリーが待っております。どうですか?別府。おすすめですよ(笑)。

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別府での暮らし 1」への4件のフィードバック

  1. 友蔵さん。
    こんにちはひでりんです。
    別府の暮らしもそろそろ落ち着いてきましたか?
    伺っていると別府は意外と寒いんですね。
    歳とると寒さ応えます。
    春になりバイクで走りまわれるようになるのが楽しみですね。

    1. 九州は温暖と思っておりましたが、自然豊かだからなのか意外にも寒い…と言っても、八ヶ岳の頃と比べればすでに春です(笑)。
      同じ九州でも鹿児島ぐらいまで行けば、関東と比較しても温暖だとは感じますが。
      さすがにZRXはガレージで冬眠中ですが、カブは通勤で2月でも乗っております。まぁ乗っていると言っても乗車時間は5分ぐらいですけどね(笑)。

      引っ越ししたのが10月後半でしたから、全然ツーリングはしていないので、今年はいろんな所に行ってみます。

  2. 初めまして、私も同じST4に乗ってた時から楽しく拝見させて貰ってます
    私も同じくバイク好きですが、色々とバイクを乗り継いでおります
    今は奈良市在住です バイクで走る環境は抜群ですヨ
    癌で亡くなった温泉好きの義理の兄が 早く別府に移住したい!って常々言ってたので、同じ様な考えの方が居られるんだナ~と興味深く成り行きを見守っておりました
    Facebookは ニセ山伏の格好で登場してます
    20年程前に 家業のアパレル会社を潰してしまい、ひとりで建築関係の仕事をやっております
    収入は1/10になりましたが ヤフオクのお陰でバイクの趣味は続けられてます(時々買った時より高く売れたりします)
    暖かくなってから 九州ツーリング記事、楽しみにしてます
        
                                   永久 浩

    1. こちらこそ初めまして。駄文にお付き合いいただきましてありがとうございます。
      ST-4はいいバイクでしたね。DUCATIのガラス細工のようなはかなさが残っていて(笑)。あれを選んだ方なので、かなりの変人ですね。
      奈良市には中学校の修学旅行以来行った事がありませんが、高野山付近の龍神スカイラインは走った事があります。ステキな道でした。紀伊半島も走るところがたくさんありそうですよね。
      私はいろんなところを旅しましたが、北海道と九州は別格にハイスピードだと思います。ぜひ体験してみて下さい。

      労働に対する人の価値観はそれぞれなので一概には言えませんが、私は日本人が理想とするような働き方は疲れたので(出来なかったとも言います)、もう10年以上前にドロップアウトしましたが後悔なんてしておりません。お金があっても忙しくて時間が無いなら、今の私は貧乏でも楽で暇を選びますから。人生は労働だけなんて、私には無理(笑)。

      九州ツーリング記事を楽しみしていてください。今年は走りたいと思います。

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